釜山で体験する“没入型アート空間”アルテミュージアム釜山

釜山で体験する没入型アート空間アルテミュージアム釜山

 釜山にある話題のメディアアート施設、”アルテミュージアム釜山”に行ってきました。光・音・映像を組み合わせた空間演出が特徴で、芸術に詳しくない方でも直感的に楽しめる、新感覚のミュージアムです。

 アルテミュージアム釜山は、釜山広域市 影島区 海洋路247番29(부산광역시 영도구 해양로247번길 29)に位置しています。市内中心部からのアクセスもしやすく、公共交通機関を利用して訪れやすい立地です。

 ※入館料の詳細につきましては、釜山日本人会会員専用ページの会員特典に掲載されておりますので、そちらにてご確認ください。

今回の訪問では、展示テーマや空間づくりへの想いについて、担当者の方にお話を伺いました。

展示テーマに込められた想い

 展示テーマである「ETERNAL NATURE(永遠の自然)」について伺うと、時間や空間を超えて変わることのない、自然の本質や感性を表現していると話していました。アルテミュージアムでは、自然を単に再現するのではなく、来館者の記憶や感覚に長く残る「体験としての自然」を届けることを大切にしているそうです。

 現代では、自然に直接触れる機会が減り、画像や映像を通して間接的に自然を感じることが多くなっています。その中で、メディアアートは色彩や動き、音、さらには香りまで表現できる手法であり、自然の魅力を最も効果的に伝えられる表現だと考えたことが、展示制作の背景にあるとのことでした。

誰もが直感的に楽しめる展示空間

 アルテミュージアムが特に重視しているのは、「直感性」と「普遍性」です。芸術に関する専門知識や特定の解釈を求めるのではなく、来館者一人ひとりが感じ取った感情そのものを、展示の完成と捉えています。

 展示を企画する際には、年齢や国籍、芸術的な背景に関係なく、誰もが自然に没入できる空間構成や演出を最優先に考えているそうです。 「説明よりも体験が先にあり、理解よりも感覚が先に働く」ことが、アルテミュージアムの展示哲学だと語っていました。

写真や映像では伝えきれない魅力

 写真やSNSで見る印象と、実際に訪れたときの体験の違いについても伺いました。担当者は、アルテミュージアム最大の魅力は空間全体で感じるスケール感と没入感にあると話します。

 写真や動画では展示の一部分を切り取ることはできますが、光の動きや音の広がり、作品に包み込まれる感覚までは十分に伝えることができません。来館者の動きや視線によって作品の印象が変わる体験こそが、実際に足を運んで初めて味わえる、アルテミュージアムならではの価値だと感じました。

 アルテミュージアム釜山は、日常から少し離れ、感覚をゆっくりと解放できる場所だと感じました。 釜山での暮らしの中に、いつもとは少し違う時間を取り入れたいときに、気軽に訪れてみてはいかがでしょうか。

写真やSNSを通してアルテミュージアムを知った方へ

 SNSで見るアルテミュージアムは、ほんの始まりにすぎません。写真でその瞬間を「記録」したのであれば、実際の訪問では、その空間の中で自分だけの感情や記憶を「体験」することになるでしょう。

 展示を急いで消費するのではなく、少し立ち止まり、作品や空間に身を委ねてみてください。アルテミュージアムで過ごす時間は、日常から離れ、自然や感覚、そして自分自身と改めて向き合う瞬間になるはずです。

                       協力記事:アサディ アルミタ